知識集

  • ネイルサロンの物件について2016.05.27

    こんにちは。

    仲村和也です。

    ネイルサロンを始めるにあたっては、店舗を構える物件や広告媒体、機材のレンタルなどさまざまな契約が必要になってきます。
    今回は、その中でも特に多くの費用がかかる店舗物件と広告媒体などの契約時の注意点をお話ししたいと思います。
    みなさんは契約書にサインするときに、きちんと内容を把握しているでしょうか? 当たり前のことのようですが、意外とあやふやな方も多いようです。
    どんな契約に関しても、契約後のトラブルを避けるためにしっかりとその内容を確認することが重要です。

    ■テナント物件の契約
    テナント用の店舗の契約は普通の居住用賃貸契約とは違って、その契約内容には色々あります。そして、貸し主と借り主の双方の話し合いによって、確認事項を決める場合もよくあります。
    契約形態としては主に以下の2種類に分かれています。
    『普通建物賃貸借契約』
    ごく一般的な賃貸契約で、契約期間が1年や2年です。借り主の解約意思表示がなければ、自動的に契約が更新されます。
    『定期建物賃貸借契約』
    10年や15年、20年などの長期に渡る期間の契約です。原則的には期間満了で契約が終了します。この賃貸契約の場合には、契約書とは別に書面の取り交わしが必要となることもあります。途中解約や再契約が可能かどうか、内装に手を入れる際の条件などの重要な内容は、契約前に充分に確認しておきましょう。

    そして解約時ですが、住居目的の賃貸契約だと1ヶ月前の退去予告が多いですが、テナントの場合だと3ヶ月から半年前の退去予告が必要になることもあります。これは住居用の賃貸であっても、テナントとして使用しているなら同じです。
    退去時には、住居用であればクリーニング程度で済みますが、テナントとして使用していたなら壁紙や床なども全て新しく変えなくてはならない、ということも多くあります。
    これらのことは必ず契約書に記載されています。もし不明な点があるようなら、必ず事前に確認しておきましょう。いざ退去するときに、その条件によって必要な費用はかなり変わってきます。
    また、居抜きの物件などはさらに注意が必要で、「現状復帰」はよくある条件です。「原状復帰」とは、退去時に物件を契約前の状態に戻すことで、居抜きの場合はどこに手を加えたかが判らないままにしてしまうと、後でとても大変な思いをすることになります。最初にどこをどう変えるのか、その内容を途中で変更した場合にも、ハッキリと判るように記録しておくといいでしょう。

    基本的に退去時の修繕の義務に関しては、
    ◎借り主の通常の使用による破損や損耗は貸し主の負担
    ◎借り主の故意や過失による破損や損耗は借り主の負担
    と決められています。これらの内容に関してもチェックしておきましょう。

    ■広告媒体の契約
    現在では、新聞や雑誌などの紙媒体に加えてインターネットでの広告などがあります。媒体によってはその契約内容が違うこともあるので、どちらにしても契約書をよく読んでおきましょう。
    広告媒体などには、契約の際にさまざまなキャンペーンを行っていることがありますが、では、なにを満たしたらそのキャンペーンが適用なのか? もしその条件を外れたときにはどうなるのか? などを細かく把握しておく必要があります。そのキャンペーンが自分に達成できるような内容なのかも見ておきましょう。
    個人で行う場合などは、広告に掛けられる資金は限られてくるはずですから、大きな額ではなくても予想金額を上回ってしまうと痛手は大きくなってしまいます。
    さらに、その広告媒体が自分のサロンなどにどれ位の効果を上げてくれそうかを考えておくのも大切なことだと思います。せっかくお金を掛けるのですから、最も効果のある媒体と契約したいものです。

    これらの他に、逆に従業員への雇用契約書などをオーナーが作ることもあります。この場合には、その文章について一度専門家にチェックしてもらうのもいいと思います。必要な内容が全て書かれているかは重要で、漏れなく書いたつもりでも後から抜けている部分が見つかることもありがちです。

    どんな契約書にしても、事前に内容を確認して、納得した上で契約書するようにしましょう。

  • スタッフ教育2016.05.26

    こんにちは。

    仲村和也です。

    ネイルサロンをやる以上、お客様にネイルアートや手入れなどの技術を売るわけですから、当然ネイリストたちの腕が問われてきます。
    正直にいって、私はその技術に関してはわかりません。
    ですが、オーナーとしてお客様が満足する技術を提供することは必須科目のひとつですから、サロン全体の技術に対しては常に注意を払っているつもりです。

    ■ネイリストの技術は“練習と経験”あるのみ!
    新しいネイリストが入ってきたら、アドバイザーや店長がしっかりと技術チェックをしてから施術デビューになります。サロンのネイリストたちが全員、一定以上の技術レベルを持っているのが理想でしょうが、現実にはそうはいきません。経験の浅いネイリストやトレーニング上がりの新人の場合だと、キャリアのある店長などと同じ技術の提供ができるわけではないのです。
    このネイル技術に関しては、どんなネイリストに聞いても“練習と経験”あるのみで、これに勝るものはないようです。
    苦手なアートであったり時間内に施術が収まらないなどと色々あるとは思いますが、全ては練習が足りない…、これに尽きるわけです。

    ■近年ならではの技術指導の難しさ
    ネイルアートは職人の世界ですから、キャリアのあるネイリストたちからは「昔はよく怒鳴られた」なんていう話しも聞きますし、今でもそういったサロンはあるかと思います。
    ネイリスト不足の昨今、せっかく採用したネイリストたちをそんな風に指導されては…と感じるオーナーもいるかもしれません。特に若い人で怒られ慣れていないような場合には、すぐに辞めてしまうこともあり得ます。
    ですが、技術上で必要な叱咤であれば、仕方がないことです。もちろん、そこに個人の悪意のある感情などを感じたときや、やたらと怒鳴ったり暴力を振るうなどは別です。

    基本的にお客様を相手にした商売をやる以上、経験の浅いネイリストたちに厳しく指導してくれるスタッフはありがたい存在です。怒られたスタッフが辞めてしまうことなどに恐怖を感じる、というのは判らなくもないのですが、技術的に向上心がなかったり勤務態度に問題があるなど、サロンの足を引っ張ってしまうスタッフがいるならば、辞めてしまっていいと割り切ることも必要となってきます。よく“朱に交われば赤くなる”といいますが、向上心の高い人たちの中に入ると、自然に向上心も芽生えてきますし、逆にいえば無理だと思えば数日でリタイアする、という判りやすい形が出来てくると思います。

    もし、指導の仕方を見て疑問に思うようなことがあったときには、その指導者と相談してみるのもいいでしょう。スタッフにも様々なタイプの人がいるわけですから、それぞれに指導の方法も違うはずです。そのときには指導者のやり方を否定するのではなく、「自分はこう思うんだけど」という感じで話しをするといいと思います。
    また、人によっては指導をするのが苦手なタイプのスタッフがいるかもしれません。そういう場合には、指導をすることに抵抗がない人を指導者に選ぶ、ということも大事なことです。

    ■サロン外にも技術上達できる場所がある
    サロンでの技術指導とは異なりますが、ネイル業界では毎年様々なコンテストも行われています。日本のネイリストの技術は世界一、といわれるだけあって、日本のみならずアメリカを始めとする世界のコンテストでも入賞するネイリストたちもいます。ですが、そこまでとはいいません。どんなコンテストでも構わないと思いますし、参加するだけでもコンテストに向けての練習などで技術やモチベーションも上がるはずです。
    また、メーカー主催の技術セミナーというのもあります。ネイルの技術や道具などは常に進化しているので、そういった新しいものを学べる技術セミナーに参加するのもいいでしょう。
    マイサロン全体でこういった催しに参加することもひとつの方法で、最新技術を覚えると共にサロン全体の士気も上がってくるので一石二鳥かもしれません。

    オーナーの責任として“多少の厳しさがあってもそれでもついていきたい”“このサロンにいると成長できる”“ネイルアートの素晴らしさを実感できる”と思わせるような、魅力的なネイルサロンを作っていくことが重要になると思います。ひいてはそれが、マイサロンの評判にも影響してくることでしょう。

  • スタッフ教育2016.05.22

    こんにちは。

    仲村和也です。

    現在、ネイリスト不足といわれるネイル業界の中で、特に繁忙期前はネイリストが最も採用しにくい時期といえるのではないでしょうか?
    ネイルサロンを始めるにあたっての質問の中で、求人についてもよく聞かれますが、取りあえずは間口を広げて沢山の様々な方に会ってみることが大事だと思います。
    今回は、そんな求人の際の面接について話していこうと思います。

    ■面接のときに聞いておきたい、見ておきたい部分
    ネイリストを募集するときには、求人誌や求人サイトなどを利用する方が多いと思いますが、面接希望者から送られてくる履歴・経歴の書類やメールにはあまり左右されないようにすることをオススメします。これは、技術面はもちろん、人間的な部分にしても実際に会ってみないことにはわからないからです。スクールを卒業したばかりの未経験でも、既にとても完成度が高い方もいますし、こういう部分は書類やメールでは見えません。
    どうしてネイリストの仕事を選んだのか? マイサロンの求人に応募したのはなぜか? なども含めて直接話をしてみることが大切なのです。

    ◎技術面
    技術面では、新人でもかまわないのか、即戦力となる経験者が欲しいのかによって見る部分も変わってきます。
    新人の場合、前述しましたがネイリストの仕事を選んだ理由や技術を覚えることへの意気込みなどが大切になってくると思います。技術を教えながら仕事をさせるということは、サロンにとってもある意味その方に投資をするということにもなります。途中で辞めてしまったりするような方だとそれが無駄になってしまいます。

    即戦力の場合だと、一時期、“1級保持ネイリストが在籍!”などというのがブランドのような時代もありましたが、現在ではお客様もそこら辺を気にしている方はほとんどいらっしゃらないように思えます。もちろん、ないよりはあった方がいいですが、いちばんは自分のサロンで求めたい技術を持っているかどうかです。
    キャリアは長くても、スカルプばかりが出るサロンにいたためにジェルアートは未経験に近い、という方だとジェル専門店では即戦力にはなり得ません。そうなると、例えば求人誌などで募集をかけていた場合、キャリアによる高い成功報酬がかかった上に、さらにジェルの技術指導が必要となってしまいます。

    即戦力の方だと実技チェックが必要となってきますが、これはサロンによって様々で、一次面接を通った方のみチェックをするサロンや最初の面接で併せてやるサロン、今までの施術画像のみのサロンなどがあるようです。いろいろなパターンはありますが、基本的には実技チェックはやったほうがいいですね。
    マイサロンの場合だと、チップを作ってきてもらったり、自分の手につけてきてもらうというのが最近では多い傾向にあります。
    そしてもし、自分がネイルについて詳しくなければ、ネイリストに同伴してもらうことも必要になります。通常だと、ワンカラー・ラメグラ・フレンチなどを見ることが多いようです。

    ◎人間性
    応募された方の人間性も、技術と同様によく見ておきたい部分です。変にプライドが高かったり、協調性がなさそうであれば、他のスタッフとの兼ね合いも考えると採用は難しくなってきます。そして、ネイリストは職人であると同時に接客業でもあります。職人だから無愛想でも構わない、というのはネイリストには当然通用しません。お客様と接することに抵抗があるかどうか、そこら辺も聞いておきたい部分です。

    ■面接では、応募者もこちらを見ている
    技術力も人間性もいまひとつ、というのであれば別ですが、総合的に考えて迷ってしまうことも多いと思います。そうなった場合にはマイショップの現状を考えて、オーナーとして判断しなければなりません。迷ったときのためにも、面接や実技チェック時にはサロンの店長やベテランスタッフに同席してもらうのもありですね。
    よくありますが、いきなり本採用ではなく、まずは試験期間を設けて様子を見る、という方法もいいと思います。

    求人をするときには、まず、自分がどんな技術や人間性を持った方を望んでいるか、ということを考えておくことが重要です。ここさえしっかりとしていれば、面接のときに見るべきポイントがハッキリとしてくるはずです。
    そして、忘れないようにしたいのは、面接のときには応募者からこちら側もチェックされているということです。こちらが気に入ってどんなに採用したいと思っても、お断りを受けることもあります。
    面接が続く場合などは大変なのですが、なあなあになってしまうことがないように、応募者一人ひとりとしっかり向き合うことが大切だと思います。

  • スタッフ教育社員教育2016.05.21

    こんにちは。

    仲村和也です。

    このブログを読んで下さっている多くのオーナーの方たちには判ると思うのですが、ネイルサロンはやはり、スタッフたちの“質”によって経営状態が左右されてしまうところが多々あります。
    大前提として、そうならないようにリーダーシップを取るのがオーナーの役割でもあるわけですが、中には、どうにもこうにもマインドが低いというスタッフがいるものです。このようなスタッフをどう変えていくか、がサロンの未来に影響を与えていくのだと思います。

    ■ネイルサロンにとって重要なホスピタリティ
    ホスピタリティとは、簡単にいえば人間そのものを真正面から捉え、その状況によって独自に対応を取り、人を快く受け入れるということです。商売をやる以上は満足して頂かなければならないのはお客様です。どんなお客様に対しても快く受け入れるというのは、時にとても難しいことですが、このホスピタリティをスタッフみんなが当たり前に理解できるサロンを作っていくことが理想かもしれません。
    そのためにも、スタッフたちに対しては、技術以外にもホスピタリティへの教育が必要になってくると思います。

    ■スタッフ教育の今
    ネイリストという職業は、一見華やかな仕事に見えるので、その響きに憧れて資格を取る人も大勢います。ネイル業界にとってはとても素晴らしいことだと思います。
    しかし、実際にお客様や自分が納得できるような技術に辿り着くまでには、相当な努力と経験が必要となってきます。これは、実際にネイリストとして仕事をしていく中で知っていくことであり、新人のネイリストたちにとっての壁といえるでしょう。

    現在の世の中の風潮として、“好きを仕事に!”などの、楽しみながら稼ぐことを推奨するような文言が飛び交っているように感じます。これはもちろん正しいことで、なぜなら人間好きなことでなくては、長く続けることは難しいからです。ですが、それがただの甘えになっていることが多いかもしれません。
    スタッフへの待遇を良くする、叱ることなく褒めて育てる…怒られることへの免疫がない人たちが増えている現在、このスタイルが主流になりつつある世の中ですが、そのテンションで人を育て続けていくのは本当に難しいことだと思います。

    ■オーナーとしてのホスピタリティ
    スタッフたちには、色々な性格の人がいることでしょう。大変なことなのですが、オーナーはそれぞれのスタッフたちの人間性を見ながら育てることが大切です。褒められて伸びる人や怒られて伸びる人など、三者三様に対応することです。もちろん、ただ褒めて甘やかしたり叱ったりするのではなく、臨機応変さも欲しいところです。時に優しく、時に厳しく教育していくことが重要なのです。
    その中でも、「怒られた=ありがたいこと、悔しく思う、改善していこう」といった感情を持てる人こそ成長するので、サロンとしては大切にしていかなければいけません。

    要は、オーナーとしては、お客様へのホスピタリティは当然のこととして、ネイリストたちスタッフにもホスピタリティを持って接する必要がある、ということだと思います。

    ■マニュアルを超えたところにある、接客の理想
    多くのサロンで同じだと思うのですが、仕事をマニュアル化して平準を目指す方法が取られているのではないでしょうか? ですが、ホスピタリティの観点からするとサロンの“質”の向上を妨げることもあると思います。
    マニュアルはもちろん大切なのですが、お客様に対して時にはそれを外れた部分での対応が必要になってくる場合もあると思います。大切なのはスタッフたちが、どのようにお客様たちに対応していくか、ということを考えられるかどうかです。

    サロンも人と人との集合体です。その集合体の中でスタッフの一人ひとりが働き、お客様と接するわけですが、スタッフ同士、お客様へ、とそれぞれでのホスピタリティを持てる環境が、より良いサロンへと発展させていくのではないでしょうか。

  • ネイルサロン経営について2016.05.20

    こんにちは。

    仲村和也です。

    今回はアドバイザーを中心に、ネイルサロンでのスタッフたちのそれぞれの役割についてお話ししていこうと思います。
    アドバイザーとは、オーナーと現場スタッフの橋渡しをしてくれる、いわば中間管理職的立場の存在です。私は、このアドバイザーという存在を推奨しています。もし資金に余裕があるようなら、ここは必須だと考えています。

    ■アドバイザーの存在意義
    考え方として気をつけてもらいたいのは、アドバイザーを入れたからもう大丈夫だろう、これで売り上げも向上するだろう、と全てを丸投げにしてしまうのは間違いだということです。
    アドバイザーは、あくまで現場を管理する存在です。アドバイザーの存在意義は、現場と経営側との意思疎通がスムーズになったり、ネイリストたちスタッフの離職率が下がったりすることで、その結果、利益に繋がっていくということです。何もかもを全て任せてしまい、オーナー自身は何も解らない、という状況になっては利益が上がるわけもなく、意味がありません。

    オーナーが頭ごなしに売り上げ目標を出すよりも、アドバイザーが現場に立ちながら日々目標を意識させる方が、スタッフたちへの響き方も違うはずです。
    アドバイザーがいることによってスタッフたちがまとまり、オーナーは現場の状態に惑わされることなく円滑に経営判断が下せるようになる。まずはこれで十分なのではないでしょうか? 逆にいえば、アドバイザーを入れてこういう環境が作れないのであれば、投資が無駄になっている、ということになります。

    また、オーナーが男性で現場に入れない場合には、女性アドバイザーを入れることなどは特に投資するべき部分だとも思います。女性スタッフが多いサロンなどの場合、もし女性同士のトラブルが起こったときに間に入るのは、女性アドバイザーのほうがいいかもしれません。男性オーナーが叱っても逆効果になる場合もありますし、揉め事などでオーナーが正しいと思った方の立場に立ったとしても、“えこひいきしている”とあらぬ疑いをかけられることもあるかもしれません。そうなるとさらにややこしい状態になっていまいます。

    ■理想的なアドバイザーとは?
    では、どんな人をアドバイザーにすればいいでしょうか? ネイリストとしてのしっかりとした技術もあるに超したことはありませんが、基本的にいちばんは、サロンの状況やスタッフたちの人間関係にきちんとした心配りの出来る人がいいと思います。スタッフ同士やお客様とのトラブル時にも冷静に、的確に判断できることも大切です。トラブルを対処するのは店長の役目、と決めていたとしても、解決の補佐としていてもらうことは心強いはずです。

    ですが、そうそう理想的な人が見つかるはずもありませんから、まずはアドバイザーをしてもらう人に、オーナーとしてどんなことをやって欲しいかを明確に伝えることが重要です。
    そして、前述したように丸投げするのではないですが、ある程度の現場での判断はアドバイザーに委ねる、というのも大切なことです。これは他のスタッフにもいえることですが、彼ら彼女らを“信用している”という意思表示にもなりますし、その方がより責任感も出てくると思います。

    ■他のスタッフたちそれぞれの役割も考える
    アドバイザーだけではなく、店長や指導者、ネイリストたちのそれぞれに対しても、そのポジションはどこまでやって欲しいのか? どこまで任せるのか? ということをオーナーが明確にすることも忘れてはなりません。例えば、“ここまで出来れば店長になれる”などの基準みたいなものを決めていくといいかもしれません。スタッフたちに目標を持たせる、というのは、技術や意識の向上には効果的です。

    サロンのスタッフ全員が、それぞれの立場でそれぞれの役割をきちんと理解することは、とても大切なことだと思います。それにはまず、オーナーがはっきりとして指針を示す必要があります。オーナー自身があいまいなままでは、スタッフたちは何をどうやっていいのかが解らなくなってしまうからです。

    そして、当たり前のことですが、経営についてはオーナー自身の責任である、ということを肝に銘じて、覚えておきましょう。

  • ネイルサロン経営について2016.05.19

    こんにちは。

    仲村和也です。

    最近は、ネイルと一緒にアイラッシュサロンを出したい、という方の相談が増えています。何となく空いたスペースを使って、と考えている方も多いかもしれませんが、では来月からすぐに…というように簡単にできるものではない、と思った方がいいでしょう。

    ■ネイリストとアイリストとの大きな違い
    基本的に、アイラッシュをサロンに取り入れる場合には“美容所登録”が必要です。マイサロンでは、今のところアイラッシュを取り入れていないので登録申請は出していませんが、知人に聞いて驚いたのが、アイラッシュをする空間には美容師免許を持ってない人間を入れてはいけない、という規定があることです。
    アイリストには免許が必要ですが、ネイリストには免許は必要ありません。
    上記の規定でいくと、同じ室内でネイルも施術するとなると、そのネイリストも美容師免許を持っていなければならない、ということになります。

    こうなると、気軽に空きスペースでアイラッシュを、とはいかなくなるサロンがほとんどではないでしょうか?

    ■美容所登録に必要な、基本的な準備
    それでもアイラッシュを取り入れてみたいという方もいらっしゃるかもしれませんので、美容所登録するには何が必要なのか? 基本的な内容を簡単に説明しておきますね。
    まずは最低必要条件として美容師免許を取ることです。そのためには学校に通わなければならないと思いがちですが、通信教育などを使って、自分のペースで免許を取ることも可能なようです。
    これは必ず必要なことなのですが、巷のアイラッシュサロンの全てに美容師免許があるか、というとそうでもないようです。それなら免許はなくてもいいのでは? と思うでしょうが、それでは保険などに入ることも出来ないので、お客様に何かあったときに大変なことになってしまいます。

    登録に必要な書類や、開設の条件と流れですが、これは各市町村によって多少内容が異なるようですので、基本的な部分を紹介します。あくまでも目安として考えて下さい。
    ◎提出する必要書類
    ・開設届け
    ・有資格者の免許証(資格者が複数いる場合には、管理美容師の講習会修了証書)
    ・従業員名簿
    ・施設の平面図、付近の見取り図など
    ・サロンの構造と設備の概要
    ・健康診断書(結核や伝染性皮膚疾患の有無が記載された、医師が記入したことが確認できる3カ月以内のもの)
    ・会社の登記事項証明書(開設者が法人の場合)
    ・外国人登録証明書(開設者が外国人の場合)
    ・手数料

    ◎開設の主な条件と流れ
    ・施設の構造設備の基準
    基準床、腰板には、コンクリートやタイル、板などの不浸透性材料を使用。掃除が容易に行える構造にする。
    ・作業室面積
    一作業室の床面接は13平方メートル以上。美容所の場合、椅子の台数は13平方メートルで6台まで。3平方メートル毎に1台増やすことができる。
    ・洗い場
    流水式にして、洗髪用と器具洗い用とは区別して分ける。
    ・換気
    外気の流れが充分にできる設備にする。
    ・採光、照明
    充分な採光と照明を確保すること。作業面の照度は100ルクス以上。
    ・お客様待機場所
    ケースなどを使って、作業室とは明確に区別をする。面積は、概ね作業面積の1/6程度。
    ・器具、布片の収納
    洗浄・消毒済みのものと未消毒のものを明確に分ける。洗浄・消毒済みのものが汚染しないように密閉された場所に保管する。
    ・作業衣など
    作業中は清潔な作業衣を着用、顔面作業の場合には清潔なマスクを着用する。作業の前後には手指の洗浄を行い、必要に応じて消毒する。
    ・従業員の管理
    従業員の健康管理に注意する。伝染性疾患にかかっている者を従事させない。従業員の移動の際には速やかに届け出る。

    大まかには以上のような条件が必要となります。これらの条件を満たし、営業開始の準備が整ったら、保健所の環境衛生監視員に構造設備などの検査を受けます。問題がなければ確認書が交付されて、確認日から営業が可能となります。

    以上はあくまでも基本ですが、基本だけでもこれだけの条件が必要となってきますので、申請には意外と時間がかかる、と考えて下さい。
    申請を通すときのみにこのような体制を作る、といった話しもよく聞きますが、場所によっては突然に不定期検査が入ることもありますし、やはり信用問題を考えるとこの方法はリスクが大きいかもしれません。

    アイラッシュなどの同時施術が可能になれば、集客が見込めるなどのメリットもたくさんあるとは思いますが、美容師免許が必要なアイリストはネイリストよりも求人が難しいですし人件費も高くなります。

    まず始めに、実現可能かどうかをしっかりと確認することが大事だといえるでしょう。

  • オーナーについてネイルサロン経営について2016.05.15

    こんにちは。

    仲村和也です。

    経営者として求められることの中でも、「行動力」「スピード感」「決断力」などが必要なときはとても多いのではないでしょうか?
    ただでさえ世知辛い世の中で生きているのに、さらにさまざまなことを求められるのはかなり辛い、と思うこともあるはずです。それに加えて、スタッフたちのことも考えなければなりません。例えば、スケジュールがパンパンに詰まっている中で、スタッフから入る連絡に正直いってウンザリすることも多々あるでしょう。

    そんなように、毎日が何かしらの決断を迫られる連続で疲れたときには、あえてゆっくりと過去を振り返るような時間を作るといいと思います。

    ■過去の自分の行動を振り返ってみる
    そんな時間なんてない! といいたくなるかもしれませんが、これはとても大切なことなのです。
    一概にはいえないかもしれませんが、私たち経営者は、会社員として給料を頂いて生きている方たちよりは、先を見ている、見る必要があると思います。
    その理由は、経営者である自分次第で会社やサロンが変わってしまう可能性があり、そのために従業員を守れなくなる状況にするわけにはいかない、という使命感があるからです。このためにも、将来へ向けてのビジョンが大切なのです。

    “ビジョンを描くこと”これは私が一貫してお伝えしていることですが、ビジョンに向かうには、過去をしっかり振り返るという項目が必須だと思います。

    未来は今日、そして過去の積み重ねから作られています。

    前へ前へ進もうと前のめりになっていると、そんな当たり前のことも忘れがちになってしまいますが、描いたビジョンはいきなり達成できるわけではないのです。
    「過去に上手くいったとき」
    「過去に失敗してしまったとき」
    そのときの想いはなんだったのだろうか? と、自分と向き合う時間はとても貴重です。
    人間は成長するものではありますが、ただ漠然と、前のめりになるだけでは成長することは出来ません。ときに立ち止まって過去を振り返り、その経験を基にしてさらに考えていくからこそ成長できるものです。
    現在はすっかり忘れてしまっていることでも、もしかすると過去には出来ていて、今は出来ていないことなどにも気づくかもしれません。

    ■過去を思い出すために日記を付けてみる
    ただ、記憶を蘇らせるのは大変なことだと思いますし、曖昧にしか覚えていないこともたくさんあるはずです。人間の記憶はけっこういい加減なものです。
    このようなときのために、日記みたいなものを付けておくのもいい方法かもしれません。といっても毎日付けるとかではなく、良いことでも悪いことでも、これはちょっと覚えておきたいと感じたら書き記すようにしておくのです。本当の日記のように毎日付けるとなると、それ自体がストレスになってしまい続かないことの方が多いと思います。

    専用のノートを作るのもいいですね。日にちと起こった事柄、そのときにどう思ったか? どう対処をしてその結果はどうなったか、などを書いておきましょう。後で読み返したときに、そのときのことを思い出せる内容であれば簡単でいいと思います。何年も経ってから記憶を蘇らせるには最適な、大切なものになっているかもしれません。

    ■同時に、気持ちをリフレッシュすることも効果的
    過去を振り返って、良いことであれば問題ないでしょうが、辛いことを思い出してしまって疲れがさらに溜まってしまう、というようであれば、一度気持ちをリフレッシュすることも考えましょう。
    これは逃げるとかではなく、少しの間は仕事のことを忘れて好きな趣味をやったり休養したりして、何でもいいので気持ちをスッキリさせることです。その後に、辛かった過去でも正面から向き合うのです。もし問題を抱えているときなら、過去の経験から新しい思考も生まれるかもしれません。

    やることが山積みでとても…という方が多いと思いますが、逆に忙しいときほど、1日でも半日でもかまわないので、携帯などもオフにして過去を振り返る時間を作ったり、少し休んで気持ちや体調を整えることも重要なことです。
    自分自身の体と心をしっかりと管理することも、オーナーとして大切な責務だと思います。

  • オーナーについてネイルサロン経営について2016.05.14

    こんにちは。

    仲村和也です。

    ネイルサロンは、夏に向けてぐっと忙しくなるものです。夏の季節にいかにお店のファンを増やせるかがサロンをやるにあたってかなり重要ですので、気合いが入るオーナーも多いのではないでしょうか?
    ですが、この頑張り時の繁忙期目前、オーナーにとっていちばん打撃を受けるのが、スタッフが突然辞めてしまうことですよね。これには、きっと頷いている方も多いと思います。

    ■日頃のコミュニケーションがピンチを救う
    基本的に繁忙期前、特に夏前にお店を辞めるというのは、ネイリストとしてはあり得ないといった雰囲気はあります。この時期にサラッと「辞める」といえてしまうのであれば、ちょっと問題でしょう。ですが、どうにもならないような体調不良やプライベートの出来事が起こってしまうことはあります。

    ネイリストが余っているサロン、というのを私は見たことがありません。どこのサロンにしてもギリギリの人数でやっていたり、常に足りない状態が現状だと思います。
    故に突然のスタッフの退職、ましてや繁忙期直前であれば、急いで求人をかけてもスクールを卒業したての未経験の人ですら来ない、という状態になるので、かなり追いつめられてしまうことになってしまいます。
    これには、残念ながら「はい、これが解決方法です!」というものはありません。

    ですが、こういったピンチを救ってくれるのは、いつも私がいっているようにスタッフとの日頃のコミュニケーションに尽きると思います。コミュニケーションを日々密にしていれば、スタッフの微妙な変化を察知できて素早い対応が取れることは多いはずですし、どうにもならずに辞めてしまったとしても、残ったスタッフたちがその穴を埋めようと頑張ってくれるはずです。
    こいうった対応が出来るかどうかは、オーナー次第だと思います。

    ■スタッフたちとの信頼関係を作るために
    例えば別店舗からのヘルプや、スタッフが通し勤務、連続勤務をしてくれるか、人数が足りないときに代わりに出てくれるかどうかは、オーナーへのリスペクトがあるかどうかで変わってきます。
    いちばん簡単なのは、時給などをアップして対応してもらう、ということですが、これが出来るか出来ないかというのもオーナーの力です。スタッフたちはお金を稼ぐために働いているのですから、無理をして貰うことに対しての対応としては当然のことです。
    ただ、信頼関係というものは決してそれだけでは作れないものだとも思います。

    日頃、スタッフたちとのコミュニケーションはちゃんとできていますか? スタッフ一人ひとりの顔と名前は解りますか? ほんのたまにしかスタッフたちと接していないのであれば、よく解らないかもかもしれませんよね。

    時間があるときにサロンに顔を出す、現場の様子を見てみるなどをして、何気ない話しでもかまわないのでスタッフたちと会話をするのも大切なことです。
    マイサロンで働いていて、お店のことをどう思っているか、現状で気になる部分、自分の将来をどう考えているか? などを聞いてみるのもいいでしょうし、仕事のこと以外でも音楽や映画、趣味の話しをしてみるのもいいでしょう。場合によっては聞くだけではなく、オーナー自身の話しも色々としてみるといいかもしれません。年齢や立場に限らずに、スタッフたちから教えられることも色々とありそうです。

    コミュニケーションの場のひとつとしては、本当は食事や飲み会などが適しているとは思うのですが、最近の若い人たちはそういうものを嫌う傾向にあるとも聞きますし、そうであれば、サロンにいるちょっとした時間を活用するしかなさそうです。ですが、それでもいいと思います。
    来るだけでサロンに緊張感が走りピリッとする…オーナーにはこういう存在感も必要だとは思いますが、やりすぎると避けられるようになってしまいます。わりと気軽に話しかけられる存在感、というのも必要ではないでしょうか?
    “サロンのために頑張れる”
    “同じ職場の仲間たちを助ける気持ちを持てる”
    “同じビジョンに向かうためにピンチを乗り越えようと協力する”
    スタッフたちにこれらの思いがあるのであれば、それはオーナーやサロンにそれだけの魅力があるということです。

    よく“ピンチはチャンス”といいますが、オーナーとスタッフたちが苦難を乗り越えることが出来たときに、さらに深い信頼関係が生まれることもあると思います。ピンチの時にこそ、それを信頼関係が生まれるキッカケにしていきたいですね。
    問題が起きたときこそ、オーナーとしての器が試されます。冷静に、しっかりとした対応をしていくことが大切です。

  • オーナーについて2016.05.13

    こんにちは。

    仲村和也です。

    私は日頃から、沢山の方に会わせて頂くことが多いです。
    経営者の方や経営者になりたい方、上手く行っている方、上手く行かなかった方など、本当にさまざまな方とお話しをさせて頂きますが、その中でも経営者として上手くいっている方というのは、やはり行動力とスピード感が違います。

    ■過去の失敗を転換させる行動力
    上手くいっている方といっても、過去に失敗のある方やとんでもない苦労をした方はとても多いです。それを乗り越えられたのは、失敗を上手く転換させる行動力があったからなのです。
    逆に、何かを始めたい、経営者になりたいといいながらも、全く行動しない方もいます。話しを聞いていると、とても立派なことをいっていても行動が伴わないのです。どんな素晴らしい考えや理論を持っていたとしても、それを実現させるために動くことが出来なければ意味がありませんし、とても勿体ないことだと思います。
    ただやみくもに行動すれば良いわけではありませんが、自分のビジョンがしっかりと固まって、それに向けての準備が整ったら、即行動開始です。多少の疑念などは、動いている中でも対応することが出来るはずです。実際に行動してみないと解らないことというのも、沢山あるのですから。途中でこれは違う、と解ったのであれば、その時点で立ち止まって考えればいいのです。

    何か障害になるようなことが起こったときにも、それに対応するためにとにかく動きましょう。そこで立ち止まったままになっていると、何も解決することはできないですし先へ進めません。問題に気づいたときには、素早く対応できるフットワークの軽さが大事なのです。これは、問題を最小限に止める、という意味でも重要なことです。
    また、失敗する、ということは何かしらの原因があってのことなので、過去にやって来たことをチェックしてみることも必要だと思います。その失敗を成功に導くように転換させるには、行動あるのみなのです。

    ■何事に対応するにも大切なスピード感
    何かをやり始めるのも続けるのも、ついこの間いっていたのにもう始めたの!? というくらいのスピード感がないと難しいことだと思います。
    男性ももちろんそうなのですが、女性で家事や子育ても両立されている方などは、仕事にかけられる時間が限られてきます。

    何店舗もサロンをやっている、ある女性経営者の方は、
    「何事も人の3倍で動く。人より秀でたいのであれば当たり前。家事に至っては5倍速で動く。」といっていたそうです。
    これは同じ女性にとっては励みに、男性にとっては身が引き締まる言葉だと思います。
    家事や子育てだけでも、大変な労力と時間が必要なことだと思うのですが、この方のように、アグレッシブに素早く行動することで全てを両立させて、成功している女性経営者の方も多く存在します。

    蛇足ですが、男性の脳はひとつのことを集中して考えるタイプで、女性の脳は同時に複数のことを考えられるタイプだといいます。このことを考えると、女性が活躍できる場が多くなった現代になってやっと、女性のその能力が家事や育児だけではなく、仕事でも発揮されてきている、といっていいかもしれません。

    今の世の中、もう男性だから女性だから、ということはありませんが、私的には、女性が多く活躍するネイル業界にいるせいもあるのでしょうが、もっともっと女性も経営者として活躍していけるようになることを願っています。ライバルとして考えると、とても強敵になってくるとは思いますが!

    男性女性に限らずに、物事を始めるときもトラブルに対応するときも、まずは行動することが大切なのは間違いありません。行動力があるということは、それに伴ってそれなりのスピード感も付いてくるものです。自分のビジョンに向かって、まずは行動してみてはいかがでしょうか?

  • ネイルサロン経営について2016.05.12

    こんにちは。

    あなたのビジョンは何ですか? と聞くと、よく「お客様を幸せにしたい」「スタッフを大切にして幸せにしたい」という方がいます。
    これは確かに素晴らしいことですし、経営者をやる以上の究極の目標としてはここに行き着くと思います。その言葉通り、例えばスタッフを幸せにする一環として福利厚生を充実させてスタッフ全員に社会保険を付け、有給を与える…これももちろん素晴らしいことですね。

    ですが、その前に考えたいのは、これを始めから実行してその状態を継続していけるのか? それだけの資金力と器を持っているのか? ということです。

    サロンを長く続けることへの責任

    無理をして福利厚生などを充実させたとして、それで1年で潰れてしまったとしたらどうでしょうか? 1年間きちんと給料を支払ったのだからそれでいい、という考え方もあるかもしれませんが、それでスタッフを幸せにしていることになるのでしょうか?

    まだ若い新人ネイリストの方や独身の方であればそれでもいいのかもしれませんが、ある程度キャリアを積んだ方やある程度の年齢の方、家族を持っている方などの場合、その1年という期間が重要になることも多々あります。
    大げさに聞こえるかもしれませんが、その1年がスタッフやスタッフの家族に変化を及ばせてしまうことがある、ということをまずしっかりと理解して、腹をくくる必要があるのがオーナーです。人を雇い入れる以上は、スタッフたち一人ひとりの生活にも責任を持たなければなりません。その自覚を持てないのであれば、オーナーとしては失格といえます。

    やみくもな理想を追うのではなく現時点での自分に出来る範囲をよく考えて、そしてそれは法律的にも問題はないのかなど、まずは最低限のことをきちんとやって経営の基盤を作ることが大事です。もちろん人件費や教育に関して資金をかけることは大切ですが、それがしっかりと投資勘定になっているかが重要なのです。
    現在どんなに大会社であろうとも、最初から全てが充実していたわけではありません。その時その時の経営状態を見据えた上で、徐々に充実させていった結果なのです。

    当たり前のことのようですが、スタッフやお客様を幸せにしたいのであれば、サロンはあり続けなければなりません。誰かの役に立ちたいのであれば、利益をガンガンと出して税金を沢山払えるようになるべきなのです。
    そんな会社になったときには、スタッフへの充実した福利厚生も当たり前にできるようになることでしょう。

    今できないことを、スタッフに理解して貰うことも大切

    スタッフたちからは、待遇などについてのさまざまな要求があるかもしれません。自分や家族の生活がかかっているわけですから、不満があれば当然のことです。問題はその時にどう対応するかです。
    目先のスタッフの要望を受け入れることが本当にスタッフのためになるのか、自分がオーナーとして出来る範囲なのか、ということをよく考える必要があります。
    もしその要望を叶えられないのであれば、いつどのような状態になれば可能なのか、そのためには今何をやる必要があるのかなどを、スタッフに明確に説明することもオーナーにとって大切な仕事です。そしてそのことをスタッフに理解して貰えるようにするのです。
    無理して要望を受け入れたことで、サロンの経営を続けていくことができなくなってしまえば元も子もありません。スタッフ自身にしても路頭に迷うことになるかもしれないのです。

    その上で万が一、それが原因でそのスタッフが辞めてしまうことになったとしても、それはそれで仕方のないことだと思います。ただ、実現できないにしてもスタッフそれぞれの要望や状態を聞いてそれを頭の中に入れておき、気にかけておくという細かい配慮も必要かもしれませんね。これができるオーナーというのは、スタッフからも信頼を得られる存在になるのではないでしょうか。

    逆にサロンの経営も順調で、スタッフへの待遇にも十分対応できる状態だったとして、それでもサロンの拡大や新しい機材導入を優先して福利厚生などをどんどん後回しにしているようであれば、それは問題です。お客様のことを考えたお店への投資も必要なことですが、スタッフへの待遇をないがしろにしていては、幸せどころかみんなはついてきてくれないでしょう。

    “今”受け入れられない、ということが、必ずしも悪ではないのです。それをスタッフのこれからのビジョンに加えてイメージさせて、経営戦略を考えられるオーナーでいたいですね。

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